AIRoAは、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の委託事業の一環として実施する「国産汎用ロボット開発コンペティション」(以下「本コンペティション」)において、採択企業7社が約6ヶ月間にわたり開発した試作機の評価を実施しました。その結果、株式会社Enactic、THK株式会社、株式会社不二越、ugo株式会社の4社(五十音順)を改良機開発フェーズの進出企業として選定しましたので、お知らせいたします。
1. 試作機の評価について
本コンペティションは、国内における汎用ロボット(双腕モバイルマニピュレータ)の開発促進を目的として実施しているものです。採択企業は約6ヶ月間にわたる試作機の開発に取り組み、AIRoAは完成した試作機を次の3つの観点から審査しました。
- 実演評価
AIRoAの平和島拠点に構築した評価用デモ環境において、家庭・小売・製造・物流の現場を想定した多様なタスクを実演いただき、その達成度を評価しました。 - 定性評価
上記の実演をもとに、ロボティクスの専門家で構成する評価委員会が、動作品質・操作性・デザイン・機能性といった観点から、ロボットとしての完成度を定性的に評価しました。 - 実用化要件評価
各社にご提出いただいた量産計画・保守体制等の計画に基づき、実用化に向けた実現性等を評価しました。
評価委員(定性評価)
- 尾形 哲也 AIRoA理事長/ 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 表現工学科 教授
- 川節 拓実 京都大学大学院工学研究科 准教授
- 河原塚 健人 東京大学大学院情報理工学系研究科 講師
2. 評価結果
AIRoAは、これら3つの評価を総合した結果、次段階の改良機開発フェーズへ進む企業として4社を選定しました。約6ヶ月という短期間での開発にもかかわらず、各社から完成度の高い試作機が出揃いました。
改良機開発フェーズ進出に選定された企業のコメント
各企業より、将来的な開発展望に関するコメントを頂戴いたしました。
「今回のコンペでは、オープンソースのロボットアームとして多くの方に活用いただいている「OpenArm」の思想を継承・活用したモバイルマニピュレータの開発に挑戦しました。
コンペの課題への最適化にとどまらず、実際の作業における操作性や実環境での運用を重視した調整にも注力しました。今後も、より多くの方が開発を加速させることのできる基盤の構築を進めてまいります。」
—— 株式会社Enactic 代表取締役 森 大二郎
「このたびは、AIRoA開発コンペの改良フェーズ進出企業として選定いただき、大変光栄に思います。
改良フェーズでは、安全性、堅牢性、運用時のUXの向上に取り組み、より実用性の高いロボットへと進化させてまいります。
当社は、LMガイドをはじめとする機械要素技術と、セミヒューマノイドロボットの実証実験で培った知見を活かし、ロボット向け基盤モデル開発の加速に貢献してまいります。」
—— THK株式会社 産業機器統括本部 リサーチセンター RT研究部 第一研究室 課長 氏家 弘貴
「不二越は 1968 年からロボット事業を始め、世界のものづくりの自動化・高度化に貢献してきました。現在、フィジカル AI 技術の進展を機にロボットへの期待が膨らみ、適用領域が大きく広がっています。質の高い基盤モデルの開発には、質の高いデータ収集が必要であり、そのためには質の高いロボットが欠かせません。当社が長年に渡り培った産業用ロボットの技術をベースに、実用的かつ高機能で信頼性の高い汎用ロボットを速やかに完成させてまいります。」
—— 株式会社不二越 取締役 常務執行役員 ロボット事業部長 国崎 晃
「このたびは改良フェーズに進出できましたことを大変光栄に思います。今後は量産を見据えた設計のブラッシュアップ、ならびにメンテナンス性の向上設計を進めてまいります。あわせて、実環境での導入に必要となる機能を順次実装し、実機としての完成度を高めていく予定です。研究開発の枠にとどまらず、現場で実際に使われる汎用ロボットの社会実装に向けて開発を加速してまいります。」
—— ugo株式会社 代表取締役CEO 松井 健
3. 今後の展望
各社は改良機開発フェーズにおいて、機能性および安全性・信頼性の更なる向上に取り組む予定です。同フェーズは2027年3月までを予定しており、AIRoAが設定する評価基準を達成した企業は量産体制の構築へと進み、2027年7月以降の量産機納入・データ収集用ロボットとしての活用開始を目指します。国内における汎用ロボットの社会実装に向けて、研究開発を一層加速させてまいります。
AIRoAは、今後も産学官が一体となった取り組みを基軸に、フィジカルAIの社会実装とオープンなエコシステム構築を推進してまいります。本コンペティションで培われた技術・知見・ネットワークを礎に、国内における汎用ロボティクスのサプライチェーン強化と技術の共進化を加速させるとともに、NEDO委託事業によって得られた成果を広く社会へと還元してまいります。
国産汎用ロボット開発コンペティションについて
本コンペティションは、経済産業省およびNEDO委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野の生成AI基盤モデルの開発に向けたデータプラットフォームに係る開発」の一環として実施するものです。本事業では、ロボットの基盤モデル開発に必要なデータ収集プラットフォームの構築を推進しており、本コンペティションを通じて開発される国産汎用ロボットは、そのデータ収集用ロボットとして活用される予定です。
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100398.html
問い合わせ先
プレス窓口:pr@airoa.org
国産汎用ロボット開発コンペティション事務局:hw.comp@airoa.org